新築プランに見る塩漬けとは?

コラム「塩漬け物件の恐怖。」では売却に出してもなかなか売れない物件が、

「塩漬け」

と呼ばれている理由についてお話しました。

塩漬け物件に価格交渉しても、

「減額したくても減額できない」

という売主側の事情があるという内容でした。

冷静に考えてみると当たり前のことなのかもしれませんが、市場には意外に多くでているというのも実情です。


あるスゴ腕営業マンは、

「市場に1ヶ月以上でている物件は紹介しても成約にならない可能性が高いので紹介しない。

売れる物件というのはせいぜい情報公開されてから10日以内のものではないか。」

と話していましたが、確かに一理あると頷いてしまいます。


さて、そんな塩漬け物件ですが、新築の土地活用計画でも、

「これ、このまま進めてしまうと塩漬けになってしまう可能性が高い・・・。」

というプランをよく見かけてしまいます。

新築なのでまだ塩漬けになるわけはないのですが、将来的に塩漬けになることが予想できてしまう計画が意外に多いのですね。


良く目にするのが、表面利回りがかなり低くなっているようなプラン。

大手建築会社さんの8%程度のプランが多いですが、これが特にん、地価の高い計画地で進んでしまったときは目も当てられない状況になってしまいます。


もっとも、そのまま保有している間は問題は表面化しません。

問題なのは、売却しようとしたときです。


大家さんの希望は、なるべく土地価格+新築時の建物価格で売れること。

しかしながら、買い手の希望は最低利回りが10%以上あること。


でも、新築したときでさえ利回り8%だとしたら、これに土地価格が加わってしまったら10%の利回りになることなんて到底不可能です。売却するに当たっては仲介手数料もかかりますしね。


まして、土地価格が高い状況にあるとしたらなおさらです。


ということは、新築の企画のときから、将来的な売却時のことまで見据えて考えておいた方がいい、ということになります。

また、建物を同じ建てるにしても、なるべく宣伝広告費が建築費に転嫁されてしまっていることが明らかなプランなどは採用しないようにする、というのが重要です。

利回りから逆算して、何も無理に鉄骨造やコンクリート造を選択するのではなく、賃料にそこまで差がないようなら木造を選択する、というのも大切な方法ですよね。


また、利回りベースで価格が決定されることのない、戸建賃貸で企画する、というのも優れた方法の一つです。

エンドユーザーに対し、市場価格で売却できる可能性があるというのが戸建賃貸の特徴ですよね。


さて、塩漬け物件、怖い響きですが、自分の物件を将来的に塩漬けにしてしまわないためにも、特に新築の企画にも注意していきましょう!



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